
観光開発か自然保護か−観光道路の整備やホテル・レジャー施設の整備を行う際いつも問題となる宿命の課題が最近また西表島や小笠原諸島、屋久島といった所謂エコツーリズムのメッカ(聖地)で熱い争点となっています。新聞等でご存知の方も多いと思いますが、西表島や屋久島は世界遺産に指定されたため訪れる観光客が急増しています。特に西表島では宿泊施設を誘致して地元に利益を還元させようとする開発志向派と、かけがえのない貴重な生態系に悪影響を及ぼすおそれがあり反対する保護志向派とが対峙し膠着状態になっています。屋久島はすでに大規模ホテルが進出しており、年間
30万人を超える観光客の出すごみ・し尿の処理に黄信号が点滅する状況です。小笠原については、新空港建設が断念された見返りに大型高速船テクノスーパーライナーの就航が近く予定されていますが、急激な入り込み客の増大によって島の自然が破壊・盗採されるのではとの危惧がたかまっています。多くの人々が自然を鑑賞し学ぶことは結構なことでそれ自体非難されるべきこととは思われませんが、受け入れ側の制約・特に生態系の保護・育成にこれまで以上に観光事業者や訪問客が自覚と責任を取らなくてはならない時代が到来していることは間違いありません。サステナブルな(持続可能な)観光とは何か?この問題に地元の関係者、エコツーリズムの専門家、観光業者、一般の観光者等が意見を出し合ってコンセンサス作りをする公開の場の設定が必要でしょう。お金儲けや税収目当てのみの観光振興では単なる観光資源の食い潰しにすぎません。世界に誇れるような観光地に育て上げてゆく努力と知恵を傾注していくことこそ観光立国日本をめざす第一歩と考えます。